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職業倫理シリーズ NO.8

3.投資情報の提供等

基準3(1)
 会員は、投資情報の提供、投資推奨または、投資管理を行う場合には、次の事情を守らなければならない。
イ.合理的な根拠と適正な表示
(イ) 綿密な調査・分析に基づく合理的かつ十分な根拠をもつこと。この場合、それを裏付ける適切な記録を相当期間保持するように努めるものとする。

〔趣旨〕
 注意義務の具体的規定であり、本基準は、証券分析業務を実施するに前提として、高度な専門性を発揮し、公正かつ客観的な判断を行うため、綿密な調査・分析を行い合理的かつ十分な根拠を形成することを規定している。また、合理的な根拠を形成するまでの過程で入手した資料は、継続的に業務を提供していくための基礎資料としてのみならず、後日争いが生じた場合の対抗手段として、相当期間保持しておくことが求められる。

〔留意点〕
 適切な記録:綿密な調査・分析に基づく合理的かつ十分な根拠資料のこと。
〔事例〕
・ 企業調査を行っている会員が企業訪問などの直接訪問を行わず、他の投資情報会社が発行する投資情報を情報源として投資レポートを作成している場合。
・ 企業調査を行っている会員が入手した資料を廃棄し投資の情報源や裏づけ資料を保存しない場合。
・ 会員が、新聞や雑誌を参考にしてレーティング評価をしている場合。

基準3(1) イ(ロ) 事実と意見とを明確に区別すること。

〔趣旨〕
 証券分析において綿密な調査・分析を実施する過程では、多種多様な情報を入手することが期待される。しかし、これら大量の情報は、既に公表された決算実績「事実」のみならず、今期以降の業績予測等の将来の不確実性を伴う予測が介入することの多々ある。本基準は、将来の状況により変動する可能性がある予測については、確定情報としての「事実」とは、明確に区別し「意見」として表現することを規定したものである。明確に区分しないと、会員と顧客間に情報のギャップが生じ、顧客が不測の損害を被る可能性がある。このようなトラブルを避けるために、この基準が規定されている。

〔留意点〕
 過去の情報→事実、将来の情報→意見

〔事例〕
・ 会員が、上期の時点で増収増益を達成したので、下期も販売は好調であると判断して、通期も増収増益を達成と事実のように投資レポートを作成している場合。
・ 会員が、過去の実績数値と将来の実績数値を不明瞭に混在させて、投資レポートを作成している場合。

基準3(1) イ(ハ) 重要な事実についてすべて正確に表示すること。

〔趣旨〕
 会員が綿密な調査・分析により入手する情報には、会員の結論付けにマイナスの影響を及ぼす情報もあれば、顧客にとっての投資判断を揺るがす情報もある。しかし、会員が信託義務を果たし、また、顧客が投資判断を誤ることを防止するため、重要な事実についてすべて正確に表示しなければならない。

〔留意点〕
① 重要な事実:顧客の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事実。
② 正確に表示:重要な事実が網羅的であり、内容も十分かつ明瞭であること。

〔事例〕
・ 癌の特効薬の臨床試験を開始し、数ヵ月後には同薬の市販が許可される可能性が高い場合に、会員が投資レポートに数ヵ月後に市販されると断定する表現をした場合。
・ PERが割安であることのみを理由に、会員が割安推奨した銘柄がある場合に、当該推奨会社が新株予約権を発行しており、将来希薄化する可能性があることを全く言及していない場合。

基準3(1) イ(ニ) 投資成果を保証するような表現を用いないこと。

〔趣旨〕
 会員の提供するサービスは、将来の予測に基づくものであり不確実性を伴う。このため、 どんな場合にも、一定の利益を確実にもたらすことを保証することはできない。しかし、会員の中には投資成果を確実に保証するような表現をとり、顧客との間に誤解が生じることもある。このようなトラブルの発生を防止し、アナリスト業界全体の社会的信頼を保持するためにも、本規定が設けられている。

〔留意点〕
 一定の利回りを保証や損失填補することを約することを禁止する。なお、前提条件を設けることにより、株価の目標値を示すことはここでいう「保証」には該当しない。

〔事例〕
・ 投資管理を行っている会員が、顧客との間で10%以上の運用利回りを確保する契約を締結する行為。
・ 「絶対損をさせません」と投資成果を保証すること。
・ 過去に推奨した銘柄が的中したものだけを顧客に見せ、あたかも会員が毎回投資成果をあげているような説明をする場合。

基準3(1) ロ.投資の適合性
(イ) 顧客の財務状況、投資経験、投資目的を十分に確認すること。また、必要に応じてこれらの情報を更新(最低でも年1回以上)すること。
(ロ) 顧客の状況、ニーズ、投資対象およびポートフォリオ全体の基本的特徴など関連する要素を十分に考慮して、 投資情報の提供、投資推奨または投資管理の適合性と妥当性を 検討し、顧客の投資目的に最も適合する投資が行われるよう常に配慮すること。

〔趣旨〕
 会員は、信任義務を遵守し、顧客の利益のために最善を尽くすため、顧客のニーズを捉えていることが重要である。顧客のニーズは、個人や法人で異なるうえ、顧客の置かれている状況も、資産の額、規模、投資目的等様々である。会員は、顧客の投資目的に最も即応した投資が行われるよう配慮するために、本規定が設けられている。

〔留意点〕
(イ)に関して
① 財務状況、投資目的はアセットアロケーションのため。
② 投資経験は顧客が理解できない商品等を選択するのを防止するため。
(ロ)に関して
① 注意義務から派生した適合性の原則という。
② 個々の投資対象のみならず、顧客の組んでいるポートフォリオ全体を考慮すること。
③ リサーチ・レポートでは、投資対象のリスクをできるだけ詳細に記載する必要がある。

〔事例〕
(イ)に関して
・ 顧客に関する過去の情報だけを基に投資アドバイスをしている場合。現在の状況などを常に更新していなければならない。
・ 新規顧客について、顧客の財務状況、投資経験や投資目的を聞かずに投資推奨すること。
(ロ)に関して
・ 顧客預かり資産の大きい順にハイリスクな商品を推奨している場合。顧客資産が大きいからといって、リスク許容度が高いとは限らず、顧客の意思に反する可能性があるため。
・ 投資経験が乏しい人の集まりの場において、ハイリスク商品を推奨する行為。

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